ほとんど知られていない! 紀州備長炭の種類について

知られていない カシ、その他の原木の紀州備長炭

ウバメガシ以外の紀州備長炭があることは、生産者・問屋さんなどでは常識なのですが、生産量が少なく流通経路が限られているので、販売業者でも知らないことが多いです。オンライン上での販売業者さんなら、たぶん詳細を知らない人の方が多いのでは?と思います。
販売業者さんの中には「ウバメガシ以外は本物ではない!」などの勘違いもあるほどです。

紀州備長炭とは

そもそも紀州備長炭とは、製炭方法と産地により規定されています。紀州備長炭特有の窯を使い、昔から受け継がれた製炭方法により、産地で生産されたものを紀州備長炭と言います。
そのため、原木が何であるという規定はないので、原木の種類は特定できません。

流通している紀州備長炭

しかし、実際に生産され、流通している紀州備長炭は現在のところ、原木別に下記の3種類です。

1 ウバメガシの紀州備長炭 「馬目:バメ」 と言われます。

現在流通する90%以上が、このウバメガシを原木とするもので、紀州備長炭の代表格といえるものです。

2 カシの紀州備長炭 「備長」と言われます。

同じカシの木の仲間ですが、ウバメガシ以外の地元で本ガシ、アラカシなどと言われるカシを原木と するものです。

3 その他の広葉樹の紀州備長炭 「雑」と言われます。

主にソバの木、ツバキ、アカメ、カシなどを原木としたもので、ほとんどの場合、3種類かそれ以上の原木が混じっています。もちろん良質な備長炭となる原木を選びます。極めて少ない品です。

※ 「1」、「2」のランク落ち 「樫」と言われます。

炭問屋さんでの分類では「樫」という分類があり、原木は1、2、のどちらかで、質の悪いものが分類されます。新品の窯の調子を整えるため焼いたり、製炭を失敗したりしたものが分類されます。
※樫(カシ)を「備長」といい、質の悪いものを「樫(かし)」というので、ちょっとややこしいです。

紀州備長炭の種類 全て50gの炭です
左:ウバメガシの紀州備長炭
中:アラカシの紀州備長炭
右:その他広葉樹(ナラ)の紀州備長炭

ウバメガシの紀州備長炭

とても成長が遅く、岩地や水が少ない枯れた土地などの悪条件に強い植物です。
緩やかな傾斜の環境のよい場所では、成長が遅いため、他の植物に負けてしまい、あまり生育しません。
他の植物が生えにくい、急傾斜の岩場や水の少ない山頂付近に生育するため、原木の伐採に大変な労力が必要となります。
紀伊半島など温暖な西日本の太平洋側に自生しています。

紀州備長炭の原木紀州備長炭の原木紀州備長炭の原木
原木は曲がりが多い

生育が追いつかないので原木不足が深刻化しています。
より伐採の困難な山中にはまだまだ原木があるのですが、大変な労力と経費が必要となります。備長炭の原木となるには20~30年もかかるのです。

紀州備長炭の原木
曲がりくねった原木にチェーンソーで切り目を入れ、真っ直ぐに整えてから窯へ入れます。
紀州備長炭
炭になっても、曲がり、割れが多く荒々しい感じです。

 

紀州備長炭の断面
密度が高く空気量が少ないので、折れた断面がよく光ります。
(左:ウバメガシ、右:カシ)

 

 

紀州備長炭の用途
比重が大きく、水に沈むので、浄水用・炊飯用・お風呂用などにも向いています。  

 

カシ の紀州備長炭 「樫:カシ」と言われます

地元で本ガシ、アラカシなどと呼ばれる、ウバメガシ以外のカシを原木とした紀州備長炭です。カシの紀州備長炭は、生産量が少なく、最大手のJA(農協)さんやごく一部の問屋さんから、関東方面へ流通しますが、多くの問屋さん、販売店さんにはまず無い品です。
そのため、オンラインショップの販売店さんの多くが存在をご存知ありません。

カシの葉

光があたると葉脈の美しい葉で、ウバメガシより大きく薄い緑色です。

カシの原木

ウバメガシより直線的です

窯の口付近にカシを入れ、ウバメガシと同時に製炭されることが多いです。 そのため生産量はわずかです。 カシのみを製炭するのはウバメガシより困難で時間もかかり技術を必要とされます。

カシ
炭になっても直線的でひび割れが少なく、肌が優しい感じです。
カシ
ウバメガシより比重が小さく同じ重量でも体積は×1.1ほどあります

多くの生産者が数年に一度くらいですが、よいカシの山にあたった時などにカシのみを製炭することがあります。
また、少数派ですが春を除き、ほとんどカシを製炭されている方もおられます

生産量の少ない理由

カシの原木は水分を多く含むので、ウバメガシよりも製炭に時間と技術が必要です。製炭時間はウバメガシが11日ほどに対し、カシが12~13日ほどと1~2日ほども余分にかかり、作業効率が悪いのです。
つまり、生産者が儲からないのです。そのためどうしても生産量がわずかとなってしまいます。
また、ウバメガシが1年中製炭できるのに対し、カシの原木は春の3ヶ月間ほど、特に水分を多く含むので、製炭することが不可能になることも原因の一つです。

カシは、原木も豊富な上、燃料としても優秀で、カシを好んで使う料理人もおられ、もっと生産すればまだまだ普及すると思うのですが、生産者にとって儲けにくい!ところがネックです。
カシも、ほとんどの生産者が一度は製炭したことがあり、製炭方法はずっと受け継がれております。多くの生産者が数年に一度は製炭されているようです。

今後は増える!?

ウバメガシの原木の生育が追いつかないので、今後はカシの生産量をもっと上げようという動きが活発になってきています。
「紀州備長炭=ウバメガシ」という固定観念を変え、カシの紀州備長炭をもっともっと普及させる必要がありそうです。
今後はカシの紀州備長炭が増えると思います。

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